予防接種について考える その6(日本脳炎) - 2004年11月01日公開

日本脳炎

少し前の話になりますが、平成16年7月23日に、厚生労働省で「日本脳炎に関する専門家ヒアリング会議」が実施されました。

日本脳炎ワクチンは、有効性と安全性が高いことが確認されていますが、他のワクチンと同様に極めて稀に、副反応を生じる場合があります。また、ワクチンと副反応との関連性が指摘されているADEM(急性散在性脳脊髄炎)という症例について、文献上は100万接種に1回程度発生すると言われていますが、平成15年度に、全国で6件と、例年を上回る症例数の報告が行なわれました。

これを受けて、専門家による検討会の開催となりました。
日本脳炎ウイルスは、ブタの体内で増殖され、蚊(主に、コガタアカイエカ)によって媒介され、ヒトに重篤な急性脳炎をおこす可能性があるウイルスです。
昨今、アメリカなどで話題になっている、ウエストナイル熱(西ナイル熱)もこの類だそうです。
日本脳炎の患者数は、昭和41年には全国で約2000人と言われていましたが、近年では
予防接種の普及で年間に数人程度となっています。

蚊がいないとされる北海道では、ここ数十年もの間、患者も発生していないことなどから、
日本脳炎は、定期の予防接種に含まれていません。(もちろん有料では接種できます。)
しかし、子どもの頃に北海道に住んでいて、その後、本土へ引っ越してきた人などは、
心配な場合もあるようです。
では、一律、予防接種をすれば良いと感じるかもしれませんが、逆に、患者数がゼロなのに対して、
予防接種を実施すれば副反応というリスクだけを背負ってしまうといった声があるのも、また事実です。

日本脳炎に限ったことではありませんが、現在、更に副反応が起こりにくい、ワクチンの
製造方法(組織培養法)を開発中とのことですのでそうしたワクチンの安全性や有用性が
認められていけば、こういった問題はなくなるのかもしれません。
ウイルス根絶のため、一刻も早く解決できる良案ができることを期待しています。

参考までに、IDSC(国立感染症研究所 感染症情報センター)では、感染症流行予測調査事業
ということで、全国日本脳炎ブタ情報を公開しています。

【国立感染症研究所 感染症情報センター 感染症流行予測調査事業】http://idsc.nih.go.jp/yosoku/
( 感染症流行予測調査-速報:2004年第16報 2004年10月12日版 が現時点では最新情報です。)

担当
中山 秀喜
役職
ヘルスプロモーショングループ マネージャ

1990年4月 入社
民間系システム、公共財務会計システムなどを経て、1994年から地域保健分野のシステム化に従事。
自治体向け保健システムを開発当初から手がけ、「WEL-MOTHER」ブランドを確立。
現在、ヘルスプロモーショングループの統括責任者を務める。

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