少し前の話になりますが、厚生労働省統計情報で、平成16年度における人口動態統計月報年計の状況が公表されました。
それによると、1人の女性が一生の間に生む子供の数とされる「合計特殊出生率」は※1.29となっており、依然、最低を更新し続け、ますます少子化が進んでいることが伺えます。もともと「少子」という言葉は、「一番若い子」、「末っ子」という意味で、「子供が少ない」という意味ではなかったようですが、平成10年より、「少子化」とは「出生率が低下して、子供が少ない状態になる。」という意味で使われるようになりました。
この「少子化」には、さまざまな要因があり、主には、晩婚・未婚化が原因だといわれています。
この晩婚・未婚化については、現代社会の環境によるところが大きいと思います。
まずは、女性の高学歴化。経済及びその環境が発展し、今日では男女の所得格差が小さくなりました。
それにより、「離職=生活水準の低下」という方程式が確立されつつあり、その結果、
晩婚・未婚化が進んだと捉えることができます。
また、この晩婚・未婚化は女性だけの問題と思われがちですが、男性社会の問題でも
あるのです。現在の経済社会では、ワークライフバランスが崩れてきており、
ある調査によると、34歳以下のサラリーマンの平均勤務時間は11時間ということが
明らかになりました。これに通勤時間を考慮すると、家族と接する時間は1日30分~
1時間足らずということになります。
このように長時間勤務が常態化している状態で、家族と触れ合える時間が少ない
ということが、無意識のうちに植えつけられて、「家庭を築くのは無理だ」と
結婚しない男性が増えているのではないでしょうか。
また、「子育てをしない男を父親と呼ばない」と衝撃的な訴えかけがあったように、
男性の育児参加が不十分で、女性の子育てに関する負担が大きくなり、「育児の楽しさ」より、
「苦痛」を感じてしまうことが多いのではないでしょうか。
こうした問題は、国だけでなく、企業も率先して少子化対策に取り組んでいく
必要があります。
ある企業では、子供のいる社員への優遇措置をとったり、職場環境を整備し、
ワークライフバランスの充実に力を注いでいるところもあります。
少子化対策は、国、地域、企業が足並みをそろえて初めて効果のでるものと思っています。
今後、現在の労働状況だけでなく、家庭(家族)のことを考慮する企業が増えることと、
あとは、国からの適正な制度に期待したいところですが、2006年度の税制改革では、
大増税案が目白押しで、少子化はさらに拍車がかかると予想されます。
※平成15年度と同様の数値だが、平成16年度は、端数を繰り上げての1.29のため、
実際には前年度より低い。
1998年4月 入社
保健業務一筋で8年目のベテランリーダー。
主に西日本エリアを担当し、全国の保健師さんから「このぶっち」の愛称で親しまれている。
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