「医療制度改革大綱」を踏まえた今後の生活習慣病対策について - 2005年12月01日公開

診察ばあちゃん

厚生労働省は、平成17年12月16日「医療制度改革大綱等に関する都道府県に対する説明会」を開き、都道府県健康増進計画の改定ガイドライン(暫定)を提示しました。

中長期的な医療費適正化の具体策として、生活習慣病対策を掲げており、今後の取り組みとして以下の3点を改めて示しました。

①健診・保健指導の重点化・効率化
 ⇒メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予備群への
  保健指導の徹底、健診機会の段階化、対象者の階層化

②医療保険者による取組強化
 ⇒健診未受診者の確実な把握、保健指導の徹底、医療費適正化効果まで
  含めたデータの蓄積と効果評価

③国、都道府県、市町村、医療保険者の役割の明確化
 ⇒都道府県が具体的な数値目標を設置し、関係者の具体的な役割分担を行い、
  充実した総合的な生活習慣病対策の推進

平成20年度から施行となる都道府県健康増進計画は、

 ①目標値の設定とその達成に向けた施策の整理
 ②地域の実態把握(各都道府県による調査)
 ③地域の実情を踏まえた目標値の設定
 ④関係者の役割分担と連携促進に向けた協議
 ⑤都道府県健康増進計画の策定(改定)
 ⑥医療保険者、市町村等の各主体における取組の推進
 ⑦実績の評価
 ⑧計画の見直し(次期計画の策定)

という①~⑧の流れで充実を図ります。

まず①~③ですが、各都道府県は平成18年度に健康・栄養調査を行います。
メタボリックシンドロームの予備群・有病者の推定数や職域・医療保険者を含む
都道府県民全体の健診受診率・保健指導の利用率などの地域の実態把握を行い、
目標値を設定します。

次に④では、都道府県が設定した目標値の達成に向け、関係機関の役割・取組・
連携方策を都道府県が総合調整機能を発揮し協議します。
その上で、地域・職域連携推進協議会(平成17,18年度で全都道府県に設置予定)
において、保険者協議会の協議結果に加え、民間事業者の育成等を含めた
健診・保健指導や普及啓発事業の連携促進等の推進方策、ポピュレーションアプローチ
とハイリスクアプローチの連携確保等について協議します。

平成19年度には、全ての都道府県で⑤計画の策定(改定)を行い、
平成20年度から⑥新健康増進計画が施行されます。
その後、⑦評価、⑧見直しと続いていきます。

このように、医療制度改革に伴う健康増進計画の改定では、地域と職域の
連携や保険者協議会によるデータの一元管理など、今まで課題とされていたことへ
着手していきます。
その中でも市町村国保、組合健保、政管健保などの各医療保険者のデータを
とりまとめる保険者協議会によるデータの一元化は、現在、厚生労働省がデータの
収集方法等を検討中とのことですが、実現可能かつ精度の高いデータを収集する
ためには、方法を十分に検討する必要がありそうです。

最後に、保健システムの開発を通して、保健業務の現場に少なからず関わりを持ってきた
私としては、今回の医療制度改革で医療費適正化の具体策として、生活習慣病対策が
あげられたことを嬉しく思います。日々、自席につく間もなく働く保健師さんたちの
頑張りが成果として表れるのは5年後、10年後のため、保健業務の重要さについて、
十分な理解を得ることは難しい状況であったと思うからです。

今後、大きく変革する保健業務ではありますが、現場で働く方々のニーズに応え、
保健システムの開発を通して、高齢化を迎えた社会に貢献できるシステムづくりを
目指していきたいと思います。

担当
高久 清美
役職
ヘルスプロモーショングループ 保健システムプロジェクト責任者 統括リーダ

1995年4月 入社
入社当初から、地域保健分野のシステム化に従事。
自治体向け保健システムを開発当初から手がけ、「WEL-MOTHER」ブランドを確立。
現在、ヘルスプロモーショングループの統括リーダを務める。

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