平成18年6月16日、「がん対策基本法」が参院本会議で可決され成立しました。
厚労省の発表した「2005年人口動態統計」によりますと、がんによる死亡が約32万6千人と、調査を始めた1899年以来、過去最多にのぼったことが明らかになりました。
また、死亡総数は約108万4千人で、これら2つの数字から、がんによる死因は全体の30%(昨年より1.7%増)にも達することになります。
そんな中、国や地方自治体にがん対策の推進を義務づける「がん対策基本法」が6月16日、参院本会議で可決され、成立しました。
同法については、第一章から第四章までで構成されており、概要について簡単にまとめたものは以下のとおりとなります。
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■第一章 総則
【目的】
がん対策がこれまでの取り組みにより進展し、成果を収めてきてはいるが、なお、がんが国民の
生命及び健康にとって重要な問題となっている現状に鑑み、がん対策の一層の充実を図るため、
基本理念を定め、国、地方公共団体、医療保険者、国民及び医師等の責務を明らかにし、がん対策を
総合的かつ計画的に推進することを目的とする。
【基本理念】
がんの克服を目指し、がんに関する研究を推進するとともに、研究等の成果を普及・活用し、
発展させ、患者がどこに住んでいても、本人の意向を尊重して適切ながん医療が受けられるよう
体制を整備すること。
■第二章 がん対策推進基本計画等
「がん対策推進基本計画」に定める施策については、具体的な目標や達成時期を定めるものと
しており、その計画の策定にあたっては、がん患者や家族、学識経験者で構成する
「がん対策推進協議会」の意見を聴くようにと明記。
また、”計画の内容”や”目標の達成状況”は、インターネットやその他適切な方法により、
速やかに公表すること。
■第三章 基本的施策
1.がんの予防及び早期発見の推進
がんの予防の推進、がん検診の質の向上、がん検診の推進(受診率向上)のために必要な
施策をとること。
2.がん医療の均てん化の促進
がん専門医等の育成、拠点病院・連携協力体制の整備、がん患者の療養生活の質の維持向上、
がん医療に関する情報収集や、患者・家族への相談支援体制の整備等のために必要な施策を
とること。
3.がん研究の推進等
がん研究の推進、がん医療を行う上で特に必要性が高い医薬品・医療機器の早期承認に資する
環境整備のために必要な施策をとること。
■第四章 がん対策推進協議会
第二章にもありますように、がん患者や家族、学識経験者で構成する「がん対策推進協議会」
を設置。
また、この協議会の委員は、厚生労働大臣が任命し、委員数は、20人以内で組織する。
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これまでがん検診については、平成10年に老人保健法の対象から外れてからも、各自治体の
努力で続けられてきましたが、これで新しく法的根拠ができたことになります。
また、「がん対策基本法」第三章にもあります、”がん医療の「均てん化」”については、
第3次対がん10か年総合戦略の中で、全国で約370ヶ所ある2次医療圏に1ヶ所程度を目安に
地域がん診療拠点病院の整備を目指すといった指針が示されています。
先日、7月28日に厚生労働省で開催されました、「がん診療連携拠点病院の指定に関する検討会」
の中で、新たに47病院について、指定を承認したとの説明がありました。
これで全国の地域がん診療拠点病院は、177ヶ所、拠点病院の設置がない県は、秋田と兵庫の
2県となり、少しずつ整備が進んでいるようです。
この4月より、厚労省は、生活習慣病対策室とは別にがん対策推進室も設立しました。
「医療制度改革」と、「がん対策基本法」といった法的な整備も進み、今後は、生活習慣病対策と、
がん対策の両輪で改善されていくことを期待しています。
1998年4月 入社
保健業務一筋9年目の熱血キャプテン「カツ」
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