標準的な検診・保健指導のあり方に関する検討会 (第3回)について - 2006年11月01日公開

検討会風景

平成18年11月9日に第3回 標準的な検診・保健指導のあり方に関する検討会が開催されました。

平成20年度からの特定健診・特定保健指導実施の前に、厚生労働省は、平成18年度より、「メタボリックシンドローム対策総合戦略事業」を千葉県、福岡県、富山県の3県で進めており、九十九里町(千葉)、白子町(千葉)、大多喜町(千葉)、筑後市(福岡)の4市町と新日鐵健保組合君津支部(千葉)、インテック健保組合(富山)、福岡県農協健保組合(福岡)の3健保組合の医療保険者が、”標準的な健診・保健指導プログラム(暫定版)”に沿って特定健診・特定保健指導を実施した途中経過の報告が、当検討会で行われました。

千葉県九十九里町の健康診査の結果(対象者:40~64歳)では、健診受診者1,355人のうち、
「動機づけ支援」又は「積極的支援」とされた者の数が、ステップ3までで989人(約73%)、
また、ステップ4の質問結果を反映した保健指導レベルの階層化を実施した結果でも、
積極的支援レベルが389人(28.8%)、動機付け支援レベル362人(26.8%)と該当者が多数存在する
ことがわかり、以下のような指摘事項も挙げられました。

○支援レベルの上がる者が少数である一方、支援レベルの下がる者の方が圧倒的に多い。
 また、メタボリックシンドロームの有病者・予備群であっても、階層化ステップ4の質問項目に
 該当する項目がなければ、根拠に乏しいレベルの変更が発生してしまう。
○効率的に保健指導を行うためには、メタボリックシンドロームの有病者・予備群等、生活習慣の
 改善により、脳・心臓疾患の予防効果が大きく期待できる者を明確にし、優先的に保健指導を
 実施すべきである。
○健診データを評価し、必要に応じて、階層化の方法を見直す必要がある。
○事業者と健保組合の費用分担が複雑であり、事務手続きも複雑になる。
○特定保健指導の中の「運動指導」を実施する際、運動負荷により脳・心臓疾患を発症する恐れが
 ある者をスクリーニングする方法や運動指導を行ってよいかどうかの判断方法が確立されていない。
○標準的な健診・保健指導プログラムで示された特定健診の項目案と現在の労働安全衛生法に
 基づいて行われている事業者健診の項目との間で、整合がとれていない項目
 (例:LDLコレステロール、血清尿酸、眼底検査等)があるため、労働者(=被保険者)に2度の
 受診をする可能性がある。など・・・。

運動指導においては、身体活動・運動の単位についての報告や、スポーツ中突然死の
基礎疾患・原因のデータを基に、運動に対する効果と内在する危険のバランスを考慮した
「運動指導前の情報収集」を実施するよう呼びかけをするとともに、運動施設の現状と課題、
生活習慣病の人に対して、運動指導を推進するための必要事項を掲げ、安全かつ効果的な
運動指導の体制整備についての報告がありました。

■身体活動・運動の単位について
○「メッツ」(強さの単位)
 身体活動が『安静時の何倍に相当するか』で表す単位。
 座って安静にしている状態が1メッツ、普通歩行が3メッツに相当する。

○「エクササイズ」(量の単位)
 身体活動の量と実施時間をかけたもの。
 普通歩行を1時間の場合は3エクササイズとなる。

■運動施設の現状と課題
 ○高齢者、ハイリスク者の運動施設の利用が増加している。
 ○主治医からの運動療法についての指示があいまいで、理解が浅いまま運動施設を
  訪れる患者が多い。
 ○一般の施設では、利用者の身体的状況について、把握していない事が多い。
 ○情報が得られても、現場の運動指導員が適切に理解し、運動プログラムを作成できる
  状況とは言えない。
 ○現場でのリスク管理、救急体制の整備が急務である。

■生活習慣病の人に対して、運動指導を推進するための必要事項
 ○運動指導士は医学の知識を、医師や保健師は運動生理学を学ぶなど、情報共有化の
  ための研修が必要。
 ○リスク層ごとに管理した場合の体制の整備及び利用者の教育。
 ○メディカルチェックの位置づけ
 ○医療機関と健康増進施設との連携強化
 ○救急体制の整備(器材、職員研修、救急隊/医療機関との連携)

課題は多い状況ですが、検討会では、これらの論点をワーキンググループを作り
検討していく方針で、"標準的な健診・保健指導プログラム(暫定版)"を、今年度中に
確定させる予定の様です。

担当
村上 好
役職
ヘルスプロモーショングループ 全国支援プロジェクト(West)リーダ

1998年4月 入社
保健業務一筋で9年目のベテランリーダー。
主に西日本エリアを担当し、全国の保健師さんから「このぶっち」の愛称で親しまれている。

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