特定健康診査・特定保健指導のQ&Aについて - 2008年02月01日公開

ドクター

いよいよ、4月より特定健診・特定保健指導が実施されます。実施に近づき、実施内容も具体化されてきており、各市町村では、頭を悩ませているのではないでしょうか。

平成20年2月27日に、特定健康診査・特定保健指導に関するQ&A集が更新されました。
といっても、数項目ですが、ここ最近、時期的なこともあり、立て続けに更新されています。

今回は、特定健診・特定保健指導のおさらいもかねて、2月分で更新されたQ&Aで特定健康診査・特定保健指導について、 気になったところを簡単にまとめてみました。


特定健康診査について

●1月17日の告示(第3号)の特定健診等の除外の者について
 ⇒除外者は以下の通り

 1 妊産婦
 2 刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されてい
   る者
 3 国内に住所を有しない者
 4 船員保険の被保険者のうち相当な期間継続して船舶内にいる者
 5 病院又は診療所に6ヶ月以上継続して入院している者
 6 高齢者の医療の確保に関する法律第55条第1項第2号から第5号までに規定する施設
 (※別紙に記載)に入所又は入居している者

  『高齢者の医療の確保に関する法律第55条第1項第2号から第5号までに規定する施設』
  2号 障害者自立支援法第五条第十二項に規定する障害者支援施設又は同条第一項の
     厚生労働省令で定める施設への入所
  3号 独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の設置する施設への入所
  4号 老人福祉法第二十条の四又は第二十条の五に規定する養護老人ホーム又は特別
     養護老人ホームへの入所
  5号 介護保険法第八条第十一項に規定する特定施設への入居又は同条第二十二項に
     規定する介護保険施設への入所

(2008年2月27日更新 特定健康診査・特定保健指導に関するQ&A集
 1.特定健康診査について 3頁 1-16 より抜粋)

簡単にいえば、施設に入所している人や、諸事情により容易に受診できない方は、
対象者から除外という形となるということです。

●在宅の「障害者」、「精神障害者」、「知的障害者」について特定健診・特定保健指導の対象者となるのか?
 ⇒特定健診・保健指導の対象者となる。
  実施方法については、各保険者の判断で、訪問健診等を行うことが可能。

(2008年2月27日更新 特定健康診査・特定保健指導に関するQ&A集
  1.特定健康診査について 3頁 1-16 より抜粋)

義務だけに実施しなければならないと思いますが、実施方法が気になるところではあります。

●腹囲(あるいは内臓脂肪の面積)の測定方法は、機器による測定が認められるのか。
 ⇒巻き尺等により実際に測定しない機器による測定としては、CTスキャンによる内臓脂肪
  面積の測定のみを想定している。それ以外の機器による測定については、測定結果の
  精度や妥当性が適切であると証明されるまでは、認められない。

(2008年2月27日更新 特定健康診査・特定保健指導に関するQ&A集
 1.特定健康診査について 6頁 2-34 より抜粋)


特定健診の項目について

●空腹時血糖とHbA1cについて
 ⇒質問1 契約単価は、一律にHbA1cの実施を前提とした単価としておく必要があるのか?
 ⇒質問2 保険者の判断で、1.空腹時血糖のみ実施 2.HbA1c検査のみ実施 3.両方実施
        のいずれかを選択し、健診機関とその1~3により契約することでよいか。

  共に空腹時血糖とHbA1cについての質問ですが、ポイントは、
  1.空腹時血糖優先ですが、HbA1cで代替は利くということ。
  2.空腹時血糖検査、HbA1c検査の算定時の診療報酬における単価が違うということ。
  3.後日受診というのは、受診率の観点からできるだけ回避すべきであるということ。

  ⇒空腹時血糖が優先であり、HbA1cは空腹時血糖が測定できない場合に測定するもの。
   よって、HbA1cを受診者全員に実施を前提とした高い契約単価をする必要はない。
   過去の実績から、受診者の摂食者の割合から、空腹時血糖の単価とするか、HbA1c
   の実施割合を勘案した単価とするのが妥当であるとのこと。全国において保険者と
   健診機関との契約単価を参考にし、価格交渉されたし。健診は自由診療であることから、
   診療報酬上の単価より設定されるべきものではないことに注意されたい。なお、受診者の
   利便性は保持する必要があるため、1回の受診で済むよう配慮する必要がある。

(2008年2月27日更新 特定健康診査・特定保健指導に関するQ&A集
 1.特定健康診査について 6頁 2-35 より抜粋)

個人的には、受診者への負担(「もう1回来てもらう」や「摂食しない」などの身体面の負担)
を軽減する意味からでも、HbA1cのみの実施だけで良いかと感じてしまいます。


特定保健指導について

●「度重なる督促・評価等の記録をもって」完了に代えられるとすれば、例えば、度重なる督促の
 電話にもかかわらず、捕まらない場合で、(例えば3回電話予定のうち1回しか話できない
 ような状態)支援対象者の自己評価はされなかったが、180ポイントはクリアしているので
 最終評価は可能であった場合、完了とみなせるのか。
 ⇒完了として取扱って差し支えない。

(2008年2月6日更新 特定健康診査・特定保健指導に関するQ&A集
 2.特定保健指導について 3頁 1-15 より抜粋)

ポイントがクリアされ最終評価が可能で、かつ督促の記録があれば、完了として差し支えないようです。
手引き書の但書にもありますが、電話よりFAXなど記録の残るものを推奨しています。
電話でもよいですが、いずれにしても何回督促したのかを記録してないといけないようです。


市町村国保ベースの集合契約について

●市町村毎で健診項目が異なっても1つの契約書で契約を考えており、以下のとおりと考えている。
 (1)契約書に追加健診の単価も含めて記載し、各保険者が受診券において「健診内容」欄を
 「特定健診のみ」とした場合、追加健診項目を各健診機関で実施しないということでよいか。
 (2)追加健診を実施する場合「健診内容」欄に「追加健診項目」を羅列しなければならないと
 いうことでよいか?
 (3)他県の集合契約まで参加すると受診券の作成が非常に大作業となることから、市町村
 国保における追加健診項目を含めて集合契約で特定健診を実施する場合、受診券の「健診
 内容」欄に「その他(市町村国保の追加健診項目)」と記載し、全国で様々な追加健診項目
 がある場合でも、市町村毎に追加健診項目を受診券に列挙しなくてもよいか?

 ⇒市町村が特定健診に独自の健診項目を追加する場合、
  1.実施すべきか十分に検討すること。
  2.一般的には衛生部門で実施されることになる可能性が高い。この場合、会計が別になる
    ため、注意すること。
  3.医療保険者負担、自己負担なのか財源を考慮して検討すること。
  4.被用者保険の医療保険者は必ずしも市独自の追加健診の契約をする必要はない。

  以上が前提として、以下の通り。

  (1)集合契約に参加する全国の保険者に項目追加の同意を得ることは困難であるため、
  基本的には特定健診のみの契約となる可能性が高い。
  (2)(3)羅列する必要はなく、「・受診地の市町村国保の追加健診項目も含む特定健康診査」
  といった記載等も考えられる。

(2008年2月27日更新 特定健康診査・特定保健指導に関するQ&A集
 5.特定健診・特定保健指導の外部委託について 8頁 2-21 より抜粋)

他にも追加健診の契約について質問があがっていましたが、結局、市町村国保ベースの
集合契約では、追加健診を含む契約は困難であるから、特定健診のみになる可能性が高い
といった内容でした。


データについて

●市町村が実施する健診を受診した被用者保険被扶養者を含め、受診者全員に詳細な健診を
 実施しようと考えている。 詳細な健診については、市町村で負担する。(一般会計で負担)この場合、
被用者保険被扶養者の詳細な健診の結果は全て市町村(衛生部門)が保管することになるのか。
 ⇒市町村にてデータが保管されることになる。被用者保険側が、詳細な健診の結果を要求する
  場合は、本人からの受領が原則である。

(2008年2月27日更新 特定健康診査・特定保健指導に関するQ&A集
 6.データについて 2頁 1-14 より抜粋)

全員に詳細な健診を実施する場合、データの扱いが難しそうです。
この場合、医師が必要と認めた詳細な健診の場合は、保険者にデータを返す必要がある
と考えると、切り分けが必要になります。

最近のQ&Aを見ていると、いろいろな例外処理の質問も増えてきています。
例外処理を考えていくと複雑な制度が、更に複雑になってしまいますが、住民サービスの
低下だと言われないために、各市町村なりに苦労しているといった感じを受けます。
混沌としたまま、4月を迎えそうな気がしてなりません。

担当
村上 好
役職
ヘルスプロモーショングループ 全国支援プロジェクト(West)リーダ

1998年4月 入社
保健業務一筋の頼れるベテランリーダー。
主に西日本エリアを担当し、全国の保健師さんから「このぶっち」の愛称で親しまれている。

最初 | | 一覧 | | 最後