医療法改正について - 2008年05月01日公開

病院マーク

平成18年6月に改正され、19年4月より施行された医療法ですが、平成20年4月1日より、診療科名の標榜ルール変更が実施されました。

医療法については、医療における適切な選択肢を提供すると共に、医療の安全を確保することで、医療を受ける者の利益の保護と、良質かつ適切な医療を効率的に提供し、国民の健康の保持に寄与することを目的とする、と記されています。
これまでにも改正は何度か行われてきましたが、今回の改正は今までで最も大きな改正と言われています。

今回の制度改正では、高齢化に伴う疾病構造の変化や、医療の高度化・専門化が進む中、医療に関する情報提供についての国民の需要に応じることを目的としています。
また、前述のように、医療法本来の目的である、「良質かつ適切な医療を効率的に提供する」ための体制整備も目的とされています。

この目的を実現するため、以下のような指針が示されました。

(1)病床種別の見直し
(2)病床の種別に応じて適正な医療の提供
(3)休止医療機関等の適正化
(4)医療機関が標榜できる事項の追加
(5)医師及び歯科医師の臨床研修の必修化

冒頭で述べたとおり、平成20年4月1日から変更された診療科名の標榜ルールについては、
まさに、上記の中の(4)に当たります。

標榜可能な診療科名について、大幅な規制緩和が実施された訳ですが、例えば、
従来認められていなかった身体や臓器の名称等についても、「内科」や「外科」等と
組み合わせることによって、新しい診療科名として標榜することが可能となりました。

具体的には以下のような標榜が新たに認められることになります。

■新たに認められる科名(一例)

「胃腸内科」、「心臓内科」、「糖尿病内科」、「児童精神科」、「血液・腫瘍内科」、
「小児腫瘍外科」、「美容皮膚科(漢方)」

これに併せて、標榜することができない診療科名についても定められています。
以下の診療科名については、今までは認められていたものですが、改正後は、
新たに標榜することが認められなくなりました。

■新たに標榜することが認められなくなった科名

「神経科」、「呼吸器科」、「消化器科」、「胃腸科」、「循環器科」、「皮膚泌尿器科」、
「性病科」、「こう門科」、「気管食道科」

また、以下のような不合理な組み合わせについても標榜は認められません。

■不合理な組み合わせとなる科名(一例)

「胸部眼科」、「老人小児科」


今回の改正について、厚生労働省の改正理由にも、「良質かつ適切な医療を効率的に提供する
体制の整備を図るため」との記載があるとおり、医療法本来の目的を実現すべく、時代の
変化に対応しようとする動きが伺えます。

昨今では、医療の問題点の一つとして「大病院の患者集中」が挙げられますが、
これは「科名では適切な医療機関を選びづらいため、とりあえず安心な大病院にいく」という
患者心理もあると思います。
今回の改正により、患者が理解できるレベルで診療科名が標榜されるようになれば、
患者も的確に医療機関を選択でき、大病院への患者集中という問題が緩和されるかもしれません。
これにより、大病院でしか受けられない高度医療に望みをかける患者が、他の医療機関でも
受けられる患者と共に順番待ちをする、という問題が減ることを期待しています。

担当
紺野 鉄生
役職
ヘルスプロモーショングループ
2004年4月 入社
持ち前の気配りと爽やかさで、めきめきと頭角を現している。
顧客から愛される若きプロジェクトリーダ、通称”テツ”。

最初 | | 一覧 | | 最後