糖尿病の診断基準の見直しについて - 2009年03月30日公開
日本糖尿病学会は平成20年2月19日に理事会を開き、診断基準を見直すために、検討委員会の設置を決めました。
糖尿病は血糖が病的に高まることによって、様々な合併症を起こす危険性のある病気です。
特定健診・特定保健指導においては、メタボリックシンドロームに着目した、
血糖(糖尿病)、脂質(脂質異常症)、血圧(高血圧症)の3つのリスクの
1つとして挙げられ、保健指導の支援レベルの指標として用いられています。
現在の診断基準は、
1.空腹時血糖値が、126mg/dl以上
2.ブドウ糖負荷試験※ 2時間値 200mg/dl以上
3.随時血糖値 200mg/dl以上
となっており、通常は別の日(複数回)に行った検査において、2回以上、上記の条件を満たすと、糖尿病と判断されます。
また、1回だけの検査でも、条件を満たせば、「糖尿病型」と判定され、糖尿病の可能性が高くなります。
加えて、
・ 糖尿病の典型的症状(口が乾く、尿が近い,体重が減った等)がある。
・ HbA1cが6.5%以上
・ 過去に糖尿病での合併症がある。
上記、いずれかの条件を満たした場合は1回の検査でも、糖尿病と診断されます。
特定健診・特定保健指導においては、保健指導(支援)レベルの階層化で、
・ 空腹時血糖値が測定されていれば、HbA1cが基準値を超えていても、空腹時血糖値で判断する。
・ 空腹時血糖値が126mg/dl以上の場合 → 受診勧奨
・ 空腹時血糖値を測定していなくて、かつHbA1cが6.1%以上の場合 → 受診勧奨
・ 空腹時血糖値が100mg/dl以上の場合 → リスク有
・ 空腹時血糖値を測定していなくて、かつHbA1cが5.2%以上の場合 → リスク有
新しい診断基準では、血糖値よりもHbA1cを診断基準に導入する方向となっています。
血糖値は、
・ 空腹時は低くなる。
・ 食後は高くなる。
・ 運動後はブドウ糖のエネルギー消費により低くなる。
という特徴を持っており、検査の前後の行動において、結果の変動が大きくなります。
ですが、HbA1c(ヘモグロビンA1c)は、ヘモグロビンAにグルコース(血糖)が結合した糖蛋白で、
グリコヘモグロビンとも呼ばれるもので、過去1~2カ月の平均的な血糖状態を把握することができます。
このため、検査結果の信憑性からも、診断基準に、世界保健機関(WHO)や米国糖尿病学会もHbA1cを
導入する検討を進めているようです。
ですが、デメリットもあり、
・ ヘモグロビンに異常があると正しい血糖状態が分からない。
・ 検査費用が割高
といった課題も残っています。
課題が残っているものの、検査結果の信憑性を考慮すると、診断基準が新しくなるのは間違いないのではないでしょうか。
今年度は特定健診・特定保健指導の初年度ということで全国の自治体様は慌しい日々を過ごしたと思いますが、
診断基準が変わると、特定健診の検査項目の見直し、医療機関への委託料の見直し等で、ますます忙しくなることが考えられます。
- 担当
- 村上 好
- 役職
- ヘルスプロモーショングループ 主任
1998年4月 入社
保健業務一筋の頼れるベテランリーダー。
豊富な業務知識と技術力で、日コン・西日本エリアの顔となっている。
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