女性のがん検診の無料化について - 2009年07月13日公開

女性のがん検診の無料化について
2009年7月3日に厚生労働省は、6月にスタートした一定年齢の女性を対象にした子宮頸がん・乳がん検診 (以下「女性のがん検診」と記載)の無料化について、今年度のみの措置ではなく、来年度も継続するよう 予算要求する方針を固めました。
これにより、少なくとも今後5年間は無料化を継続する姿勢を示したことになります。

もともとこの女性のがん検診の無料化は、経済危機対策の一つである「未来への投資につながる子育て支援」の 一環として挙げられたものです。 その背景には、日本の受診率が諸外国に比べて極めて低水準であるという現状があります。

国立がんセンターがん対策情報センターの調査によると、2007年のがん検診受診率は、

乳がん(40歳以上) ・・・20.3%

子宮がん(20歳以上)・・・21.3%


といずれも3割を下回っており、7~8割に達する欧米と比べてもかなり低い数値であることがわかります。

さらに諸外国と日本で大きく開きがあるのが、マンモグラフィーの受診率です。
マンモグラフィーは視触診では発見できない極小の石灰化を検知することができるため、 乳がんの早期発見に効果的な検査であるといわれています。

経済協力開発機構(OECD)のヘルスデータによると、

【2007年度】

 アメリカ  ・・・60.8%

 フランス  ・・・72.8%

 スウェーデン・・・83.6%

 日本    ・・・4.1%

【2008年度】

 アメリカ  ・・・72.5%

 フランス  ・・・88.5%

 スウェーデン・・・83.6%

 日本    ・・・5.6%


日本のマンモグラフィーの受診率は、前年度に比べて上がってはいるものの、諸外国とは14~16倍の差があることが分かります。 日本は25か国中最も低い受診率となっています。
検診の無料化により受診率の向上が期待されますが、諸外国との大きな開きを考えると、 その差を埋めるにはかなりの時間を必要とするのではないでしょうか。

ある調査によると、日本の女性が女性のがん検診を受けない理由の中で最も多いのが、 「現在乳房に異常がみられないから」(6割)で、次が「検診を受ける機会がないから」(4割)、 「検診費用がかかるから」(3割)ということです。
考え方によっては、女性のがん検診の無料化は、検診費用を理由に挙げた3割に対して効果が期待できるに 留まるということになってしまいます。

受診率が低いのは「身近な病気としての意識が低い」が原因であり、

「女性のがん検診についての認識向上関する活動」+「検診の無料化」

この両方が合わさって初めて受診率の向上に繋がるのではないでしょうか。

また、「検診を受けるきっかけは何でしたか?」という質問に対して、最も多かった回答が「市区町村実施の検診」 であるという調査結果が出ています。 これは、各自治体様で実施している検診が受診率に大きく影響する重要な事業であることを表しています。

今後は各自治体様がより一層「検診を受けるきっかけ」と「検診について知るきっかけ」を提供する活動 (例えば、積極的な情報提供、教室の実施、パンフレット等の配布)に主体となって取り組まれることが期待されています。
女性のがん検診受診対象者への通知や未受診者への勧奨だけでなく、受診対象外の方への情報提供など、 各自治体様の幅広い活躍に注目したいと思います。


担当
村上 好
役職
ヘルスプロモーショングループ 主任

1998年4月 入社
保健業務一筋の頼れるベテランリーダー。
豊富な業務知識と技術力で、日コン・西日本エリアの顔となっている。

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