保健衛生事業に関連する民主党の政策について - 2009年11月27日公開
民主党による新政権が樹立され、世間の注目を浴びているなか、政府の行政刷新会議が実施する「事業仕分け」の様子が、連日各種メディアを通じて報道されています。
そこで、今回のコラムでは、保健衛生事業に関連する民主党の政策を記載したいと思います。
民主党の主要政策は、「民主党マニフェスト2009」と「民主党政策INDEX2009」に纏められています。これらの資料には、保健衛生施策に関連する政策の方向性も記載されています。
以下に関連する政策をピックアップします。
■医療
後期高齢者医療制度を廃止し、医療保険を一元化する政策が注目です。
1.後期高齢者医療制度の廃止
2.医療保険の一元化
3.歯科医療改革
4.難治性疾患対策
1.については、後期高齢者医療制度や関連法は廃止され、廃止に伴う国民健康負担増は国が支援するとされています。後期高齢者医療制度の根拠法律は、「高齢者の医療の確保に関する法律」です。この法律は同時に、特定健診・特定保健指導に関する根拠法律でもあるため、関連法が廃止された場合の保健事業への影響が懸念されます。
しかし、現時点では、老人保健制度は復活させず、新制度へ直接移行する方向で検討されていますので、直近での制度変更は発生しないようです。
なお、新制度導入のための法案は、2011年度の通常国会に提出される予定です。そのため、今後は、廃止後の新制度を検討するための会議「高齢者医療制度改革会議」の動向を注目する必要がありそうです。
2.については、被用者保険と国民健康保険を段階的に統合し、地域保険として一元的運用を図ることで、制度間の保険料負担の格差解消を目指すとされています。こちらは、都道府県など地域別の保険に再編する構想ですので、市町村国保の広域化も視野に入れた検討が実施されます。
3.については、「歯の健康の保持の推進に関する法律」の成立、並びに、身体障がい者手帳の交付申請の添付書類として、そしゃく機能の障がいについては、申請手続に歯科医師の診断書を認めるよう、身体障害者福祉法が改正されます。
現在、歯科検診は、年代や所属ごとに異なる法律のもとで実施されていますが、寝たきりの高齢者や障がい者も含め、すべての国民が歯科検診を受けられるようになり、歯科疾患の予防法や治療についても調査研究が推進されるようです。
4.については、現行の難病対策、及び希少疾病の新薬開発や保険適用の仕組みを抜本的に改革するとされています。さらに、難病に関する調査研究、及び医療費の自己負担の軽減を柱とする新たな法制度を整備することも掲げられています。
■子ども
出産の経済的負担を軽減するための政策が注目です。
1.出産一時金の見直し
2.不妊治療に関する情報提供、相談体制の強化
3.DV防止法の強化
1.については、出産助成金支給額を55万円まで拡大するとされています。
2.については、不妊治療に関する情報提供、相談体制の強化に加え、適応症と効果が明らかな治療には、医療保険の適用を検討し、支援を拡充するとされています。
3.については、DV防止法のさらなる強化・充実とともに引き続き、母子への総合的な支援策の充実を進めるとされています。
■分権改革
地域主権の確立と法律や政省令による義務付け・枠付け等の見直しに関する政策が注目です。
1.地域主権の確立
2.法律や政省令による義務付け・枠付け等の見直し
1.については、人口30万人程度の基礎的自治体に対して、現在の政令指定都市と同等レベルの事務権限を移譲すること。
また、小規模な基礎的自治体が対応しきれない事業は、近隣の基礎的自治体が共同で担う仕組みをつくるか、或いは都道府県が担うことなどが記載されています。
2.については、法律や政省令のうち住民の生活に密接に関係するものについて、法律や政省令の規定を廃止する、もしくは地方の条例で変更できる旨や条例に委ねる旨の規定を法律や政省令に設けるとされています。
民主党の政策については、実現にむけてまだスタート段階です。優先順位をつけて段階的に実施される予定の事業も多くあります。また、財源の問題もありますので、政策の内容が変化することも考えられます。
まだ保健衛生事業に対する影響度合いが不明であるものが大半ですが、自治体の事務に大きく影響を与えることが予測されますので、今後も引き続き政府の動向を注視する必要があります。
- 担当
- 安本 優子
- 役職
- ヘルスプロモーショングループ 主任
2000年4月 入社
保健システムの設計開発を経て、現在は業務分析室の主力として活躍。
笑顔で仕事をスマートにこなす、頼れるお姉さん的存在。
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第66回 肺炎球菌ワクチンについて | 一覧 |
第68回 女性特有のがん検診対策事業について |
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