新たな臨時接種の枠組みが創設されます - 2010年02月08日公開
『厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会』の第2回が2010年1月15日、第3回が同月27日に開催されました。
議題としては、予防接種制度についてということで、
・今回の新型インフルエンザ(A/H1N1)と同様の感染症についての臨時接種の類型の創設
・新型インフルエンザ等の世界的な大流行(パンデミック)への対応
・臨時接種として接種を実施した新型インフルエンザの定期接種化
について検討されています。
まず、現行の「臨時接種」とはどういうものかというと、予防接種法で定められている一類疾病(発生及びまん延を予防することを目的として定期的に予防接種を行う疾病:風しん、麻しん、ポリオ等)と二類疾病(個人の発病または重症化を防止し、併せてこれによりそのまん延の予防に資することを目的とした定期的に予防接種を行う疾病:季節性インフルエンザ(高齢者のみ))のうち、病原体の突然変異等によって、感染力が強く、かつ、病原性が極めて高いものが発生した場合に、
(1)短期間に多くの者に対する接種機会を確保し、社会的混乱を回避する
(2)死亡者・重症者の大規模な発生を防止、ひいては、社会経済機能の停滞を防止する
ことを目的として、都道府県知事や市町村長が実施する臨時の予防接種になります。
今回の新型インフルエンザについては、感染力は強かったのですが、病原性が季節性インフルエンザと同程度のものであったため、接種対象者に接種の努力義務を課すほどのものではないと判断され、予防接種法に基づく臨時接種としてではなく、国が実施主体の予算事業として臨時応急的に接種を実施しています。
そのため、
・接種費用が自己負担
・健康被害救済に係る給付金額が予防接種法に基づく接種と比べて低額
であることが問題になっています。
特に今回の新型インフルエンザでは、国としてワクチンを輸入していますが、世界的な流行の中で、短期間のうちに大量に製造されたワクチンを使用せざるを得ない状況であったため、ワクチンの安全性およびもしもの際の救済制度の必要性が再認識されたのではないでしょうか。
それらの問題点を踏まえ、現行の臨時接種で想定している疾病ほどには病原性が高くはない、または緊急性が必ずしも高くはないものであっても、社会的混乱の回避、医療機関の負担軽減による医療提供体制の確保を目的とした新たな枠組みの臨時接種を作る方向で合意されました。
今後は、接種費用の実費徴収可能とするか、接種の努力義務を課すかどうか等の詳細が検討されます。
個人的な話になりますが、私の長男が今回の新型インフルエンザに罹患しました。当時はワクチン不足のため、金額が多少高くても接種できる病院を(妻が)必死で探しました。
一方、医療機関従事者は、休み時間や休日返上で対応しても、ワクチンの数に限りがあり、接種を受けられなかった人からひどい暴言受けたという話も耳にしました。
医療機関従事者の心身の負担を考えると、新たな臨時接種の枠組みは必要なのだと強く感じます。
臨時接種として接種を実施した新型インフルエンザの定期接種化も併せて検討されていますが、こちらについては、定期接種と位置づけるには、病原性やワクチンの安全性、費用対効果等、検討しなければならないことが多く、まずは、臨時接種の枠組みができあがってからの、次の段階で引き続き検討という結論に止まるのではないかと思います。
- 担当
- 高井 教夫
- 役職
- ヘルスプロモーショングループ 係長
1997年4月 入社
保健システム一筋のベテランリーダ。
日々後輩から顧客まで手厚くサポートする。
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第70回 Hib(Haemophilus influenzae type b)(ヘモフィルス・インフルエンザb型菌)予防接種について |
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