健康食品の表示制度の見直しについて - 2010年07月28日公開
皆さんは健康食品で健康被害が発生しているという現状をご存知ですか?
健康のために口にしたものが原因で健康被害に遭うのは元も子もないことだと思うかもしれませんが、健康食品による健康被害については、過去にもたびたび発生しています。
例えば近年では2009年の秋、低脂肪で人気の高かった某大手企業のサラダ油に安全性の問題がもちあがり、製造中止となったことは記憶に新しいのではないでしょうか。
実はこのサラダ油は、健康づくりのための食品機能の表示を日本政府が認可した特定保健用食品のひとつでした。
このような大手企業による健康被害の問題が起きたことにより、特定保健用食品の表示内容への信頼が揺らぐ事態となりました。
当時、食品表示を管轄する食品表示課が厚生労働省から消費者庁へ移管された直後であったこともあり、消費者庁は、特定保健用食品をはじめとする健康食品離れに歯止めをかけるため、
健康食品の表示制度について見直しの必要性を検討することにしました。
2009年11月、消費者庁は有識者を集めて「健康食品の表示に関する検討会」を発足し、協議を開始しました。
現在もまだ協議中ですが、2010年7月28日に論点整理を完了させて消費者委員会に報告し、表示制度の見直しに着手する予定となっています。
検討会の原案では、特定保健用食品の表示制度について以下の3点を課題としています。
1.特定保健用食品の表示許可手続の透明化
表示許可申請者は有効性及び安全性の審査に必要な資料を提示する必要がありますが、試験のデザインや適用条件については、枠組みが大まかで申請ごとにバラつきが生じているのが現状です。
そのため今後は、審査に必要な試験のデザイン及びその適用条件を検討し、具体的な枠組みを示す予定です。
また表示許可の審査の過程を把握しやすくするため、公表すべき情報の範囲を検討し、審査過程の透明化を計画しています。
2.保健の機能を適切に伝える表示・広告方法
特定保健用食品の広告では、許可を受けた表示内容を超えた機能性のアピールや、一定の条件下での食品機能にもかかわらず表示内容から条件が読み取れないなど、消費者に誤認を与える可能性が考えられます。
この問題を改善するため、特定保健用食品の広告に係るガイドラインを作成し、違反する事業者には表示内容の変更を求めることができる旨を、制度上明らかにするとのことです。
また、正確な食品機能が伝わるよう、条件記載の仕組みの構築も行うこととしています。
3.許可後に生じた新たな科学的知見の収集
表示許可を受けた事業者は、表示内容と実際の効き目にずれがあることがわかった場合、消費者庁へ報告することが義務づけられていますが、これまで一度も報告された事例はありません。
そこで、事業者に表示許可後も安全性や効き目にかかわる研究などの情報を収集させ、定期的に取りまとめて報告する仕組みを構築する予定です。
さらに、収集した情報から表示内容の変更が必要であると認められた場合には、事業者に表示内容の変更を求めることができるよう、制度化する意向を示しています。
その他、特定保健用食品に限らず、いわゆる健康食品全般についても議論を行っており、今後更なる改善を目指して引き続き議論していくとのことです。
健康志向が高まる近年、健康食品の種類も圧倒的に多くなりました。
そしてこれらが本当に安全であるかを私たち消費者が判断するには、「表示」の信用性が必要不可欠となります。
今後の表示制度の見直しで、安心して健康食品が口にできるようになることを期待します。
- 担当
- 土斐崎 将範
- 役職
- ヘルスプロモーショングループ
2008年4月 入社
数多くのシステム開発を任される有望若手メンバ。
爽やかな笑顔で好感度ナンバーワンの呼び声が高い。
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