結核について - 2010年08月31日公開
結核とは
「結核」と聞くと、「昔の病気」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
戦後間もない頃には、「国民病」や「亡国病」と呼ばれ、長年日本人の死因順位のトップを独走していました。
このような状況を打破するため、国を挙げて結核の予防や治療に取り組んだ結果、一時は「根絶宣言」の発表が期待されるほどの成果を上げました。
しかし、1999年7月、結核再興の兆候を受け「結核緊急事態宣言」を出すに至りました。
2009年に有名お笑い芸人の結核罹患が大きく報道されたことを記憶している方もいらっしゃるかと思いますが、現在でも、年間約2万5千人を超える方が発症しています。そして、結核のために年間2千人を超える方が亡くなっています。
結核菌について
結核は結核菌が体内に潜伏することにより、発症する病気です。
結核菌は1882年にドイツの細菌学者ロベルト・コッホにより発見されました。この結核菌は極めて丈夫で乾燥に強い細菌です。
体内に結核菌が存在すると、咳やくしゃみで空気中に飛び出し、それを吸い込むことにより周囲の人にも感染が広がります。
空気中に飛び出した結核菌はすぐに地表には落下せず、空気中に30分以上も漂い続けます。
ただし、紫外線には弱く屋外では急速に感染力を失うという特徴があります。
結核の病気とは
多くの場合は結核菌が体の中に入っても、体の持つ抵抗力により菌が体外へと追い出され、感染にまでは至りません。
しかし、菌が追い出されず体内に入りこむと、この段階で「感染」となります。
一般的には結核に感染した方のうち、発病するのは10人に1~2人といわれています。発病は感染後2年以内の場合がほとんどですが、中には数10年以上もたった後に、免疫力が落ちて発病する方もいます。
結核の初期症状は咳、痰、発熱などで風邪の症状と非常に近いため、気付かない方が多いのが現状です。2週間以上咳や微熱が続いたら、病院等での受診をお勧めします。
結核の感染について
結核に感染していると発覚した場合、その患者が結核を感染させる可能性がある期間(感染性期間)に、同じ空間にいた人は「接触者」となります。
接触者が結核感染の有無を検査する方法として、ツベルクリン反応検査やQFT検査等があります。
以前はツベルクリン反応検査が標準的に行われていましたが、この検査はBCG接種の影響を強く受けるため、結核に未感染であっても陽性を示すことが多いという問題がありました。
最近では、BCG接種の影響を受けずに結核の感染を特定できるクォンティフェロン(R)TB-2G(QFT-2G)が普及し、2010年からは第3世代のQFT検査クォンティフェロン(R)TBゴールド(QFT-3G)が本格的に普及し始めています。
こうした技術の進歩により、検査の精度も非常に高まっているといえます。
ただし、1度目の検査で陰性となっても、感染後2年間は発症するリスクが非常に高いため、原則2年間は接触者健診を受けることになります。
最後に
結核は空気感染する非常に怖い病気ですが、感染していても発病していない方や、きちんと治療を行っている方は、他の方に感染させることはありません。
例え発病したとしても、確実に薬を飲んでいれば、他の方に感染するおそれは2週間ほどで無くなります。昔は「不治の病」とも言われていた結核ですが、現代では「治らない病気」ではありません。
ただし、治療には時間がかかるため、家族をはじめ周囲の理解と協力が必要不可欠となります。
患者が安心して治療に専念できるよう、家族はもとより、周りの方々が正しい知識を身につけ、患者を皆で支えていける社会をつくっていくことが求められています。
- 担当
- 桑田 茉莉花
- 役職
- ヘルスプロモーショングループ
2009年4月 入社
テキパキとした仕事ぶりと行動力が光る若手メンバ。
その名からジャスミンの愛称で親しまれている。
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第76回 任意接種の費用助成について |
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