任意接種の費用助成について - 2010年10月13日公開

任意接種の費用助成について
ここ最近「任意接種」、「費用助成」、「一部負担」、「全額負担」という言葉を新聞やテレビ、インターネット等でよく目や耳にしますが、今回のコラムでは、任意接種の費用助成について考えてみたいと思います。

任意接種を語る前に、まずは定期接種について簡単にご説明します。定期接種は予防接種法で以下のように定義されています。(※予防接種法第三条より抜粋)

予防接種法第三条より抜粋

市町村長は、一類疾病及び二類疾病のうち政令で定めるものについて、当該市町村の区域内に居住する者であつて政令で定めるものに対し、保健所長〔特別区及び地域保健法(昭和二十二年法律第百一号)第五条第一項の規定に基づく政令で定める市(第九条において「保健所を設置する市」という。)にあつては、都道府県知事とする。〕の指示を受け期日又は期間を指定して、予防接種を行わなければならない。



つまり、法律に基づき市町村の責任において実施する義務が発生する予防接種が定期接種と呼ばれます。市町村が主体となるため、基本的に接種費用は公費負担により無料です(ただし、予防接種法が定める規定の年齢の範囲であることが必要)。 また、健康被害にあった場合、予防接種法に基づく予防接種健康被害救済制度により、医療費の支給等の救済を受けられます。

定期接種とは対照的に、予防接種法に定められておらず、住民の希望(任意)で受けることができる予防接種を任意接種と呼びます。原則、費用は全額自己負担となります。 定期接種との一番大きな違いは、任意接種により健康被害にあった場合は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構の医薬品副作用被害救済制度に基づく救済を受けられるものの、国主体の救済と異なり、給付範囲が狭くなる点です。

ところで、2007年にはHibワクチン(インフルエンザ菌b型)、2009年には子宮頸がんワクチン、2010年には小児用肺炎球菌ワクチンといったように、効用を認められた新しいワクチンが続々と認可されています。これらは2010年10月8日現在、任意接種に位置づけられており、まだまだ認知度が低いことや、先述したとおり任意接種費用は原則全額自己負担となっていることも相まって、積極的に接種する人が少なく、接種率が低いのが現状です。

予防医学への関心の高まりや、接種を希望する保護者の声を受け、地域によって多少格差があるようですが、任意接種費用の公費助成が各自治体で実施され始めています。具体的には、Hibワクチンで1回当たり5000円~7500円、子宮頸がんワクチンで1回当たり1万2000円~1万5000円の接種費用の一部または全額負担が行われています。
ただし、助成対象となる任意接種、費用助成の割合、助成に伴う手続きについては、各自治体により様々ですので、接種を希望する方は、各自治体のホームページなどで最新情報をご確認ください。

住民の費用面での負担を下げ、接種を受けやすくする効果が期待されるため、今後も様々な任意接種について費用助成をぜひ検討してほしいですが、並行して、認可された新ワクチンの紹介、任意接種の紹介、費用助成における手続きなどの情報発信にも力を入れていくことが必要だと思います。
例えば、山梨県では子宮頸がん予防に向けた子宮頸がんワクチン接種を呼びかけるCMを製作し、テレビや県のホームページで放映を行うという新しい試みを始めています。

厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会は2010年10月6日、Hibワクチン、子宮頸がんワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンについて、予防接種法の定期接種に位置づけるべきだとする提言をまとめていますので、近い将来、これらのワクチンを無料で接種できる日が来るかもしれません。


担当
小野 薫
役職
ヘルスプロモーショングループ 主任

2003年4月 入社
軽快なフットワークで日本全国を渡り歩き、日々誠実な顧客サポートに励んでいる。
持ち前の熱いハートとトークで、老若男女を惹きつける保健リーダー。

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