麻しん(はしか)について - 2011年10月31日公開
麻しんとは
麻しん(はしか)は一般的に小児期に多い感染症として知られていますが、近年では10代、20代の若者や成人の間でも感染の広がりがみられています。
麻しんウイルスに感染すると、1~2週間の潜伏期間の後、熱・せき・鼻水など風邪に似た症状を経て、頭部から全身へ赤い発しんが広がることが特徴です。
まれに肺炎や脳炎を引き起こすことがあるといわれており、重症化すると命を脅かす可能性があります。また、妊娠中に麻しんにかかると流産や早産の危険性が高まるといわれており、注意が必要です。
昨今の状況
昭和53年(1978年)に麻しんワクチンの定期予防接種が導入されて以来、日本における麻しんの患者数は大きく減少しました。
現在、麻しんの流行規模は非常に小さく、短期間のうちに終息する状態が続いていますが、まだ国内から麻しんが排除されたわけではありません。
平成19年には、小児ではなく10代から20代後半と、比較的高い年齢層の間で全国的に流行しました。大学では講義の休校、キャンパスの閉鎖が相次いだことから、テレビや新聞等でも大きく取り上げられたため、記憶にある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
最近では、平成23年4月に東京都内を中心として例年の数倍もの麻しん診断届出があり、話題となりました。
麻しんの予防について
麻しんウイルスは主に空気やせき等の飛沫を介して感染することが知られていますが、その感染力は非常に強く、免疫をもたない人が感染すると90%を超える確率で発症するといわれています。つまり、免疫をもたなければ年齢に関係なく発症するおそれがあるということです。
麻しんの予防には何よりも予防接種が有効であり、ワクチンを接種することで95%以上の人が麻しんウイルスに対する免疫を獲得できるそうです。
しかし、前述した平成19年の流行について、幼児期にワクチンを接種していても、接種後十数年経ち免疫効果が低下したこと等が流行の背景として挙げられ、対策が議論されることとなりました。
麻しんの予防接種は予防接種法の改正により、平成18年度から麻しん・風しん混合ワクチン(MR)の2回接種となっていましたが、さらに、平成20年4月から5年間の時限措置として第3期と第4期の定期予防接種が始まり、それぞれ中学1年生・高校3年生に相当する年齢の者が新たに対象者となりました。
また、平成23年5月20日から年度末までの間に限り、修学旅行等の学校行事で海外に行く高校2年生相当の年齢の者がMR第4期定期予防接種の対象者に追加されています。これは、かつて日本が麻しん排除国へ麻しんウイルスを持ち込んでいるとして非難を受けたことから講じられた対策でもあります。
定期予防接種対象年齢の方はお住まいの地域で無料にて接種可能です。ただし、対象の年齢を過ぎた方は基本的に自費での接種となりますのでご注意ください。
国の取り組み
日本では平成19年の麻しんの全国的な流行を受け、平成24年までに国内から麻しんを排除することを目標に掲げています。
平成23年9月30日に開催された第8回麻しん対策推進会議では、次のような取り組みが紹介されました。
麻しん排除に向けた積極的疫学ガイドラインの改定
麻しん排除に向け、国立感染症研究所感染症情報センターは「95%以上の予防接種率達成」等を掲げ平成20年より様々な試みを実施してきました。その成果もあり、年々予防接種の接種率は向上しています。
ただし、同センターからの報告によると、平成22年度の麻しんワクチン接種率は、第1期が95.7%、第2期が92.2%と90%を超える一方で、第3期は87.3%、第4期は78.9%と接種率が90%を割っているのが現状です。
ドラマ「JIN-仁-」とのタイアップ
第3期と4期の定期予防接種を促す取り組みの一つとして、厚生労働省や文部科学省等が共同して、ドラマ「JIN-仁-」とのタイアップを行い接種対象である中学1年生、高校3年生向けにPRを行いました。
ドラマ「JIN-仁-」の舞台となった文久2年(1862年)はまさに、麻しんが江戸で大流行した年であり、幕末におきた事件や噂話等を記録した「藤岡屋日記」には、文久2年6月から8月における麻しんによる死者は江戸だけで14,000人を超えると記載されています。
江戸の時代には守れなかった多くの命も、「現代(いま)なら守れる」をキャッチフレーズに、比較的テレビドラマに関心が高いと考えられる世代である第3期・第4期対象者への接種促進を目指したものです。
最後に
麻しんは大きな流行が少なくなったことで、その危険性に対する認知度も低下してきているかもしれません。しかし、現代でも死を招きかねない怖い病気であることは確かですので、接種が必要な年齢になったら、ぜひ予防接種を受けていただきたいです。
私はまだまだ独身の身ではありますが、いつか将来子どもができたときには、予防できる病気の1つとして、適切な時期に予防接種を受けさせたいと思います。
- 担当
- 桑田 茉莉花
- 役職
- ヘルスプロモーショングループ
2009年4月 入社
テキパキとした仕事ぶりと行動力が光る若手メンバ。
その名からジャスミンの愛称で親しまれている。
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第88回 ABC検診(胃がんリスク検診)について |
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