第3回 医療サービスの質の向上等のためのレセプト情報等の活用に関する検討会

第3回 医療サービスの質の向上等のためのレセプト情報等の活用に関する検討会を傍聴してまいりました。

≪日時≫平成19年11月30日(金)13:30~15:30
≪場所≫厚生労働省省議室(9階)

◆次第
1.開会
2.議題
 (1)現行のレセプトの分析に当たっての留意点について
 (2)レセプトデータ、特定健診・特定保健指導データの収集方法等について
3.閉会

◆内容
(1)現行のレセプトの分析に当たっての留意点について

・レセプトの電子化が進んでいる。
 ⇒健保組合でレセプト情報管理システムを利用している割合は全体の約50%
 ⇒平成19年10月現在で、レセプト電算処理システムの普及率は、病院全体の約50%

・レセプト様式見直しの必要性

 a.傷病名表記の統一がなされていない。傷病分類コードへコード化されていないものも
 使用されている状態である。

 b.調剤レセプトに医療機関コードの表記がなかったため、
 調剤レセプトと医科/歯科レセプトの突合に手間がかかる。
 調剤レセプトを見ても傷病名はわからないため、
 何の治療に使用された薬であるのか透明でない。

 c.レセプトはカルテではない。あくまでも支払の妥当性を確保するためのものであるため、
 あまり詳細化・複雑化しない方がよいのではないか。

 c.の意見に反論する形でパネリストからは次のような意見が出されました。

 診療報酬支払審査機関からの意見としては、あまりに簡潔なレセプトでは、
 病気に対して医師がどのように処置したのかという経過がわからない。
 「いつの段階でどのような症状となり、何をどの程度処方したか」の
 妥当性を確かめるためにはある程度細かい内容のレセプトが必要である。


(2)レセプトデータ、特定健診・特定保健指導データの収集方法等について

※以下☆印は厚労省の提示した政策

☆レセプトデータ、特定健診・特定保健指導データを国が収集するに当たって、保険者から
提出する際に、あらかじめ削除を要請する予定である項目(案)を作成。
 ⇒患者の氏名、生年月日のうち日、被保険者証の記号・番号、医療機関名称等。
  これらを削除すれば、国が個人情報を収集することはない。

上記の方針に対して、パネリストから次のような意見があげられた。

医療機関名称は削除しても、医療機関番号は削除しないようだが、
医療機関番号は、調べ方によっては個人の特定につながる可能性があるため、
削除項目に入れた方がよいのではないか。

☆レセプト情報、特定健診・特定保健指導情報について同一人物の情報を
 追跡できるようにするための対応方法(案)を作成。
 ⇒同一人物のデータであるか調べるため、ハッシュ関数を利用

 個人情報(被保険者証記号番号、氏名等)をインプットにしてハッシュ値を生成し、
 その値で突合することで、個人情報を削除したレセプト情報等について
 「同一人物の情報」として特定することが可能。
 異なる個人情報をインプットにしてハッシュ値を二つ生成することで、
 原則同一人物は同一として紐付けできる。

 ⇔(問題点)結婚して退職する場合など、保険者と氏名がともに変更になった場合には、
 紐付けできず、別人物として扱われることが想定される。

上記の方針に対して、パネリストから次のような意見があげられた。

・情報セキュリティに関する考え方が甘い。
・秘匿性の高い個人情報である病歴を国家が収集することにより生じる
 デメリットを上回る大きな利点を提示できていない。
・そもそもハッシュ関数を使用することが適当であるか疑問である。

☆レセプトデータ等を全数把握することにより、抽出調査による推計ではない、
より正確な疾病の状況、医療費の状況を把握できる。
☆個人を追跡することにより、対策の効果をより的確に評価できる。

上記の方針に対して、パネリストから次のような意見があげられた。

・そもそも、レセプトのデータと特定健診・特定保健指導のデータに相関関係が
 見られるという想定自体正しいのか。両者の間に相関関係がなければ、データを
 突合させても意味はない。

上記の意見に対して、10年間保健指導を行ってきたというパネリストからは次のような反論があった。

・レセプトの情報から、保健指導を受けた者/受けなかった者それぞれの健康への影響を
 見て取ることは可能であるため、レセプトのデータと特定健診・特定保健指導のデータを
 突合させることは有意義である。

☆現在問題となっている、医療費適正化や医療の地域格差の問題の解決策を模索するためにも、
 ひとまずデータ全数を集めて調査する必要がある。


◆所感
レセプトのオンライン化でレセプト情報の収集を簡易化⇒データの全数を
収集⇒特定健診・特定保健指導のデータと突き合わせ、
特定健診・特定保健指導の効果を示すという一連の構想の流れがよく見て取れました。
これで特定健診・特定保健指導実施後に医療費適正化が達成されなかったら、
どのような言い訳をするのだろう...と思いました。

大○教授がおっしゃっていたように、やはり「結果ありき」の政策ではないのかと考えてしまいました。


◆検討会の様子
パネリスト15名程度、一般の傍聴者100名程度、関係者40名程度が集まり、会場は満員の盛況ぶりでした。
終了時間を多少オーバーするほど活発な議論が交わされました。
特にレセプトに関して討議が白熱したため、
主催者が「ここはレセプト改革会議ではありませんので...」と諌めるシーンも見られるほどでした。


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