第4回 医療サービスの質の向上等のためのレセプト情報等の活用に関する検討会を傍聴しました。
日時:平成19年12月26日(水)13:00~15:00
場所:経済産業省別館 1028号室
■議題
1.レセプトデータと健診等データに係る研究(報告)
2.論点整理
3.その他
■概要
1.レセプトデータと健診等データに係る研究
保健医療科学院の岡本委員が1993年・1994年、1996年に東大阪市で
基本健診の結果とレセプトデータを突合させた結果を
発表した論文の紹介がありました。
要医療と判定されたにもかかわらず受診しなかった人が60%程度、
要医療でないにもかかわらず受診した人が5%程度いたという内容でした。
また、医療費について、要医療で受診した人の医療費は莫大であり、
要医療でないにもかかわらず受診した人の医療費はそれに比べれば
軽微なものであるという内容でした。
こちらについては、特に質問もなく終わりました。
2.論点整理
事務局が今までの検討会の内容をもとに、論点整理の資料を作成しています。
その資料をもとに検討が行われました。
(1)医療保険・保健施策の現状
・現在の医療費分析は、全数把握ではなく抽出調査であるため、推計であること
・現行のレセプトデータのレイアウトでは都道府県別分析が困難であること
等が記されています。
(2)レセプトデータ等の収集・分析に関する状況
・レセプトデータ化は既に約4割が電子化されており、平成23年度に原則
オンライン化すること
・特定健診・特定保健指導データは制度開始の平成20年度から
電子的に管理されること
・厚生労働大臣は高齢者の医療の確保に関する法律(高齢者医療確保法)
第16条に基づき、医療保険者から提出された情報の調査・分析を行うこと
等が記されています。
ここまでは特に質問や意見はありませんでした。
(3)レセプトデータ等の収集・分析に当たっての主な論点
・レセプトデータ全数把握の必要性
・レセプトデータからの個人情報削除の必要性
・特定の個人の時系列分析の必要性
・収集・分析によるデメリットよりメリットが上回っていることの説明の必要性
・レセプトデータ・特定健診等データの保管におけるセキュリティの考え方
等が論点として挙げられています。
ここでは意見として、
「レセプトの様式について、分析しやすい形で提供してもらえるように、
継続的に検討したほうがよいのではないか」という意見が上がりました。
特に、現在のレセプトからは診療行為に対する医療費の支払はわかっても、
病名に対する医療費の支払はわからないことに注意が必要とのことでした。
(傷病名が統一されていないから?)
他にも、都道府県別に統計を取ろうとしても、特に社保に関しては
全国に渡っているため、統計が難しいだろうという意見がありました。
(医療機関別には取れても、都道府県別には取りづらい)
また、個人情報の扱いについて、個人情報を丸ごと削除してしまうと、
管理上のリスクは減るが、
例えば個人が自分のレセプト情報をきちんと把握できるようにする
仕組みだったり、特定の個人が生活習慣病対策によってその後
どうなっていくのかを追跡できる仕組みはあったほうがよい
という部分もあり、データを適切に管理する仕組みについて、
検討が必要だという意見がありました。
(4)国が行う分析内容に関する基本的な考え方
・レセプトデータ及び特定健診等データを用いて、医療費適正化計画の
作成等に資する分析を行うこと
・その分析以外にも、医療サービスの質の向上を目指して必要に応じて
データを活用すること
・レセプトデータから読み取れる内容が限定されることについての留意
等が記載されています。
ここでは意見として「その分析以外にも」の部分があいまいだということで、
一般国民への分かりやすさを重視して記載すべきとの意見がありました。
また、データの活用を行うのであれば、セキュリティガイドラインの準備や、
どういう目的で、誰が、どういう流れでデータを扱うか、
データフローを明らかにする必要があるとの意見が上がりました。
他には、介護のレセプトとの突合についても考えたほうがよいのでは
ないかという意見もありました。
(5)国以外の主体によるレセプトデータ等の活用のあり方
・都道府県が国に対してレセプトデータ及び特定健診等データの提供を
求めることができること
・研究者等が学術的研究のためにデータの提供を受けることも
有用ではないかということと、渡す際の留意点
・営利企業がデータの提供を受けることを認めるべきでは
ないのではないかということ
等が記載されています。
ここでは、最近は大学と民間の連携も多いため、慎重に考えるべきだと
の意見がありました。データの提供に関しては、個人情報に十分配慮する
必要があるため、中立的なチェック機構を立てて、匿名化したデータを
チェックする仕組みが必要とのことでした。
また、保険者や医療機関がレセプトを活用していくことについての
記載を加えるべきだとの意見がありました。
3.その他
この検討会で決定した内容を実施していくスケジュールとしては、
来年4月から実施していくとの回答がありました。
また、要望として、国がデータを利用するために保険者がデータを
渡す必要があるので、データ提供にかかるシステム開発等のコストの
財政支援をお願いしたいという意見がありました。
■所感
委員が15人以上(多分18人)いて、私が今まで参加した中で一番委員が
多い検討会だったように思います。
各委員もおっしゃっていましたが、基本的にはまだ内容が曖昧で、
詰める余地は十分にありそうでした。
個人的には、前回の検討会傍聴レポートを読んで、もっと具体的で
活発な意見のやりとりを期待していたのですが、論点の資料に
書いてあることをレビューするような流れで検討会が進んだのが少々残念でした。
私は今回の検討会に出席して初めて知ったのですが、、今年「統計法」が
全面的に改正されており、(新統計法と表現されることもあるようです)
その中で統計調査に係る情報の騙取や漏洩について懲役刑を含む罰則を設ける一方で、
データの二次的利用の促進のため、調査情報から個人を識別できないように
加工した「匿名データ」の作成と、大学や研究機関が「匿名データ」を
二次利用をすることを認めているようです。
そういう情勢の中では、データを収集して分析することは、
今後は今まで以上に重要なことになっていくのだろうなと思いました。
■次回日程
今回の内容を元に資料を作成する必要もあるため、出来上がり次第とは
なるが、1月末を予定しているそうです。
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