「保健医療2035提言書」について - 2016年02月03日公開

「保健医療2035提言書」について
平成27年6月9日、「保健医療2035提言書」が厚生労働省から公表されました。「保健医療2035提言書」は、いわゆる団塊の世代の子どもたちが65歳に到達する2035年を一つのターゲットとして、日本の保健医療が目指すべきビジョンをまとめたものです。

○「保健医療2035提言書」の概要
【保健医療の課題】
今後20年間、さらなる高齢化の進展と人口減少という人口構造の変化に伴い、保健医療のニーズは増加・多様化し、必要なリソースも劇的に増大することが予想されます。それを克服するためには、これまでのように負担増と給付削減によって現行制度を維持するという発想ではなく、地域づくりや働き方等と調和しながら機能する新たな「社会システム」として保健医療を根本的に再構成する必要があります。

 ■転換すべき根底思想(パラダイム)
   ・質の拡大から質の改善へ
   ・インプット中心から患者にとっての価値中心へ
   ・行政による規制から当事者による規律へ
   ・キュア中心からケア中心へ
   ・発散から統合へ

【日本の保健医療が目指すべき目標】
人々が世界最高水準の健康、医療を享受でき、安心、満足、納得を得ることができる持続可能な保健医療システムを構築し、我が国及び世界の繁栄に貢献する。

【基本理念】
○公平・公正(フェアネス)
 ⇒将来世代も安心・納得できる。年齢、所得等によって健康水準に差を生じさせない。
  医療サービスはサービスの価値に応じた評価が行われる。
○自律に基づく連帯
 ⇒個々人の自立のみに依存せず、社会から取りこぼされる人を生じさせない。
○日本と世界の繁栄と共生
 ⇒保健医療への投資により、経済・社会システムの安定と発展にも寄与する。

【ビジョン】
1.リーン・ヘルスケア ~保健医療の価値を高める~
 ⇒保健医療システムへの投入資源に対して、人々が得られる価値を最大化する。
  (地域のかかりつけ医の「ゲートオープナー」機能の確立 等)
2.ライフ・デザイン ~主体的選択を社会で支える~
 ⇒人々が自ら健康の維持・増進に主体的に関与し、デザインする。
   また、個人を取り巻くさまざまな環境、いわゆる「健康の社会的決定要因」を考慮した取組を進める。
  (「たばこフリー」社会の実現 等)
3.グローバル・ヘルス・リーダー ~日本が世界の保健医療を牽引する~
 ⇒国境のない新興・再興感染症の封じ込めや災害時の支援などに貢献する機能を強化。
  (健康危機管理体制の確立 等)

【ビジョンを達成するために必要なインフラ】
1.イノベーション環境 2.情報基盤の整備と活用 3.安定した保健医療財源
4.次世代型の保健医療人材 5.世界をリードする厚生労働省

○「保健医療2035提言書」の実現に向けて
厚生労働省は「保健医療2035推進本部」を設置し、提言書で示された120の施策について精査しました。精査の結果「ただちに実行に移す」とした97項目については、必要な予算要求や制度改正等の検討が行われています。例えば、かかりつけ医の普及・確立に向けて、平成28年度予算には「かかりつけ医として活動している医療機関の活動効果検証」が盛り込まれています。



自分の20年後の健康について、皆さんは考えたことがあるでしょうか。健康であることは決して当たり前ではなく、いつ、誰もが、病気や怪我で医療が必要になる可能性を持っています。保健医療の制度を変えるというと、私たちには手が届かない問題のようにも感じるかもしれませんが、「保健医療2035提言書」のビジョンの2つ目に挙げられている「ライフ・デザイン」ように、身近な問題もあります。私たち一人ひとりが保健医療に関する情報を積極的に集めるなどして、「未来の自分の健康」を考えて行動することで、より良い保健医療の構築に貢献できるところがあるのではないでしょうか。



担当
鈴木 良太

2009年4月 入社
礼儀正しさと仕事への情熱では他者の追随を許さない。
何事にも常に全力で取り組む、ヘルスプロモーショングループのエース。

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