職場不適応症について - 2016年11月07日公開

職場不適応症について
近年、ストレスによるメンタルヘルス不調が社会問題となっています。過去のコラムでも紹介がありましたが、ストレスと健康は密接にかかわっており、こころの健康は生活の質に大きく影響すると言われます。(※第124回 ストレスなどから起きるめまいについて
ストレスが要因となる健康障害というと、うつ病を思い浮かべる方が多いのではないかと思いますが、今回は「職場不適応症」に注目したいと思います。

■職場不適応症とは
不安や焦り、抑うつ気分など、うつ病と似た症状が表れます。ただし、うつ病とは異なり、「ストレス要因が職場にある」ことと「発症のきっかけ」が明確です(転勤・昇進等による新しい人間関係や職務内容変更に適応できないストレス、過剰労働 など)。また、うつ病は、好きなこともできなくなるといったように、状況に関係なく症状が出るのに対し、職場不適応症は、休日などでストレス要因が消失すると回復し、趣味なども楽しめるが、いざ出勤しようとすると抗うつ状態になるなど、場面が限定的なのが特徴です。プライベートでは元気なのに仕事には行けないといった状態から、職場の理解が得られないこともあるようです。

■制度としての改善
労働者のメンタルヘルス不調の未然防止(一次予防)としては、これまでに職場でのパワハラ・セクハラ対策などの対策が行われてきました。平成27年12月1日には改正労働安全衛生法が施行され、労働者が自分のストレスへ気付いて対処すること(セルフケア)を促すとともに、職場改善につなげるという観点から、労働者が50人以上いる事業所では毎年1回、全ての労働者(※1)に対して「ストレスチェック」を実施することが義務付けられました。ただし、「ストレスチェック」は、実施方法の浸透や効果の検証が不十分な状態で制度が開始されたという指摘もあります。例えば、面接指導対象と判定されても、セルフケアの制度のため、事業者へ【面接指導を申し出る】必要があります。面接を申し出たことによる不利益な扱いは法律で禁止されていますが、ストレスチェックの結果を事業者に知られるため、申し出をためらう人がいる可能性もあります。


精神障害等にかかわる労災補償の請求・認定件数は増加傾向にあります。労働者のこころの健康づくりを進めていくために、職場環境の改善を含め、事業者によるメンタルヘルスケアの積極的推進が重要です。また、事業者に改善を求めるだけではなく、労働者一人ひとりが自分のストレスや心の健康状態について正しく認識し、適切に対処していくことが大切です。


※1)契約期間が1年未満の労働者や、労働時間が通常の労働者の所定労働時間の4分の3未満の短時間労働者は義務の対象外。




担当
三千田 亮平

2015年4月 入社
主に成人保健のシステムの開発・導入に携わる。
通常業務だけでなく、社内の委員会作業にも活躍する。

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