BSE対策の見直しについて - 2017年03月29日公開

BSE対策の見直しについて
「BSE」をご存じでしょうか。なんとなく言葉に聞き覚えがあるという方も多いのではないかと思います。

BSE(牛海綿状脳症)は牛の病気の一つで、狂牛病とも呼ばれます。世界のBSE発生頭数は、ピークの平成4年(発生頭数約37,000頭)以降減少していますが、平成13年には、発生頭数は約2,200頭であったものの、感染が世界中に広がり、大きな問題になりました。日本も例外ではなく、平成13年9月に1頭目(※1)の感染牛が確認されました。規制によって、安い輸入牛肉が入手できなくなり、牛肉の価格が高騰、牛肉を使ったメニュー中心の飲食店などに大きな影響を与えました。

そもそもBSEとは、異常プリオンたんぱく質が長期間に渡り蓄積されることが原因の病気で、感染した牛は脳がスポンジ状になり、やがて死に至ります。BSEが人へ感染する直接的な証明はされていませんが、同じく異常プリオンたんぱく質を原因とするヒトの病気と関連している可能性があるとも言われています。

異常プリオンたんぱく質は主に頭部や脊髄に貯まるため、牛の骨などを砕いたものを十分な処理を行わずに飼料に混ぜたことで、感染が広がったと言われています。日本でも、感染牛が確認された翌月の平成13年10月からは脊髄などの特定部位の除去・焼却の法令義務化、牛の全頭検査を行うといった対策が行われ、平成21年1月を最後にBSE検査陽性の牛は確認されていません。世界的にも対策が行われてきた結果、平成29年3月時点で世界におけるBSE発生頭数も2頭まで減少しています。国内外のリスクが低下した状況等を踏まえ、BSE対策開始から10年以上が経過した平成23年の12月には、検査体制等の対策について再評価が始まりました。平成25年2月からは、検査対象とする月齢を引き上げるなど段階的に対策が見直され、平成29年4月1日からは健康牛のBSE検査が廃止されることになりました。(※2)


このように、10年以上の年月をかけて検査が廃止されることになりましたが、これは、検査と併せて続けられてきた飼料規制等の対策が、今後も維持され、効果を発揮することが前提となっています。また、海外では規制をしてもなお発生頭数が0にはなっていないことなどの不安要素が見られることから検査廃止に対して、反対や不安の声も挙がっているようです。食中毒対策として、消毒・手袋の着用・作業者の体調管理などの衛生管理は浸透してきたように感じられますが、体調不良者が素手で作業したことが原因とみられる食中毒が発生するなど、当たり前に思われることでも徹底するのが難しいのも現状です。現在の状況が維持されるよう、規制がきちんと守られているかの監視や情報提供、更なる研究などが引き続き行われることが期待されます。消費者である私たちも、牛の危険部位などの正しい知識を把握しておくことで、自分のリスクを下げることに繋げていけるのではないでしょうか。



※1)
日本では平成21年1月までに36頭の感染牛が発見された。
BSEと判断された牛に由来するものはすべて焼却処分されており、流通はしていない。
※2)
24か月齢以上の牛のうち、生体検査において神経症状が疑われるもの及び全身症状を呈するものについては引き続き検査を実施。




担当
岩谷 紗也子

2008年4月 入社
主にユーザサポートを担当するメンバ。
その経験を生かし、パッケージ開発にも携わっている。

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