喫煙による影響と禁煙支援制度について - 2017年07月03日公開

喫煙による影響と禁煙支援制度について
毎月22日が「禁煙の日」であることをご存じですか?これは禁煙推進学術ネットワークにより、2010年に日本記念日協会に登録された記念日です。また、5月31日はWHOが定めた世界禁煙デーで、厚生労働省では5月31日から6月6日までの1週間を「禁煙週間」としています。これらは、喫煙の害や禁煙の重要性に関する知識の普及・啓発、受動喫煙防止のための社会的な禁煙推進を活発化させることなどを目的としています。

たばこによる健康被害はすでに広く知られていますが、「がん」「循環器疾患」「呼吸器疾患」などのリスクを高めます。(関連:第119回 喫煙と禁煙について)日本ではメタボリックシンドロームの診断基準として腹囲(または内臓脂肪面積)が必須であることもあり、生活習慣病は太っている人がなりやすいものというイメージがあるかもしれません。しかし、近年注目されはじめている、腹囲は基準以下だが高血圧などの疾患リスクがある、いわゆる「やせメタボ」の人には喫煙者が多く、太っていても喫煙などのリスクがない人と比べると疾患発症リスクが高いとも言われています。(※1)

たばこによる健康障害は、禁煙することで確実に下げることができますが、自力で禁煙することが難しい場合が多いと言われます。そのときに活用できるのが、医療機関の「禁煙外来」です。禁煙外来とは、禁煙したい人のための専門外来で、生活指導やニコチンパッチを使用したニコチン置換療法などが行われます。禁煙治療は、当初健康保険の対象外でしたが、2006年4月に一定の基準を満たす場合は、保険適用が認められるようになりました。
【禁煙治療に関する保険適用の要件】
①ニコチン依存症に係るスクリーニングテスト(TDS)でニコチン依存症と診断。
②ブリンクマン指数(=1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上。
③直ちに禁煙することを希望し、「禁煙治療のための標準手順書」に則った禁煙治療プログラムについて説明を受け、当該プログラムへの参加について文書により同意。

しかし、喫煙年数の短い若年者の大部分は②の要件に該当せず、保険適用対象となっていなかったため、2016年4月から35歳未満の若年者については、②を満たしていない場合でも、①③を満たしていれば保険適用対象となるように要件が緩和されています。


喫煙による身体への影響には、先述したような深刻なもの以外にも、味覚・睡眠障害といった日常生活にかかわるものもあります。禁煙により、命に関わる健康障害のリスクを減らすだけではなく、食べ物がおいしく感じられるなど、より快適で健康的な生活を送ることができるようになります。少しでも禁煙の意思がある場合には、保険診療も必要に応じて利用しながら、禁煙に取り組んでみてはいかがでしょうか。
また、東京オリンピック・パラリンピックが近づく中、国でも受動喫煙対策の検討が本格化しています。(※2)議論の折り合いがつかなかったため、受動喫煙対策強化法案の今回の国会提出は見送られましたが、今後、国が進める対策にも注目です。




※1)たばこを扱う事業者も、喫煙は特定の疾病のリスクファクターであると認識し、今後更なる研究が必要としている。
また、情報提供、分煙・喫煙マナーの向上などにも取り組んでいる。
同時に、喫煙がリスクを高めるとされる「がん」等には喫煙以外にも食生活等の要因があり、
個々の疾病リスクは明らかになっていないともしている。

※2)健康増進に取り組むきっかけともなるオリンピックが健康へリスクのあるたばこに接触する機会となってはならない
との考え方から、WHOとIOCの間でかわされた同意書には「タバコのないオリンピック大会の開催」が盛り込まれており、
近年の開催地でも公共の施設等において罰則を伴う受動喫煙防止対策が行われている。




担当
日戸 優

2016年4月 入社
クールな外見にガッツのある仕事ぶりで、着実に信頼を獲得している。
システムの開発や導入に活躍する。

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