近年の食中毒とその防止策について - 2017年08月22日公開

近年の食中毒とその防止策について
夏になると気温が上昇し、湿度が高くなるため、細菌による食中毒の発生件数が増加する傾向があります。(※1)厚生労働省の食中毒統計によれば、平成28年度の食中毒原因1位は細菌です。また、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食中毒部会で公開されている資料によれば、患者500人以上規模の細菌による食中毒が毎年のように起きています。食中毒事件の件数もここ数年は1,000件前後の状態が続き、減少傾向とは言えません。では、食中毒を防ぐためにはどのような対策を行えばよいのでしょうか。

平成28年度の食中毒事件1,139件のうち62.6%は飲食店で発生しています。厚生労働省では衛生管理水準の更なる向上等を目的として、HACCP(ハサップ)(※2)の制度化を進めています。HACCPとは、食品の製造・加工工程のあらゆる段階で発生するおそれのある微生物汚染等の危害をあらかじめ分析し、危害を適切に防止できる特に重要な工程(重要管理点)を定め、これを連続的に監視することにより製品の安全を確保する衛生管理の手法です。従来の最終製品を抜取検査する方法に比べて、効率的に問題製品を特定、原因調査が行えるとされています。現在、平成30年度の通常国会へHACCPの義務化を含めた食品衛生法改正案の提出を目指して検討等が進められています。既に厚生労働省のホームページには、食品製造事業者向けにHACCP導入のための手引書や飲食店向けの資料が公開されています。

また、食中毒統計は保健所に食中毒として報告があった件数をまとめたものです。統計上では、家庭での食中毒件数は平成28年度で118件と全体の10.4%ですが、症状が軽いなどで病院にかからなかった、食中毒と診断されなかったものは保健所に報告されないため実際には統計より多くの人が食中毒にかかっていると考えられています。細菌の食中毒予防は、細菌を食べ物に「つけない」、食べ物に付着した細菌を「増やさない」、食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」という、ふつうの衛生管理をしっかりすることで対応ができます。
夏が終わると、自然毒(キノコやふぐなど)やウイルス(ノロウイルスなど)による食中毒が発生する可能性も高まります。食中毒なんてなるはずがないと軽視せずに、食中毒についての知識を身に付けたり、調理の際に対策を実践したりする等、身近なところから気をつけてはいかがでしょうか。



※1)「食中毒」と一口にいってもその原因は、細菌・ウイルス・寄生虫・化学物質・自然毒と様々あり、1年中発生する。
夏は細菌が繁殖しやすいため、細菌による食中毒が増加するが、
冬は低い気温や乾燥に強い、ウイルスが原因となる食中毒が増加する。

※2)Hazard Analysis and Critical Control Pointの略。アメリカで開発された食品の衛生管理方式。
国連食糧農業機関(FAO)及び社会保健機関(WHO)により設置された組織によってガイドラインが示されており
国際的にも認められている。欧米では既に義務化が進められている。




担当
里脇 愛香

2016年4月 入社
システム導入に活躍するメンバ。
マイペースな一面もあるが、芯が通ったしっかり者。

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