平成25年度以降に実施される特定健診におけるHbA1c結果の取扱いについて - 2012年09月28日公開

平成25年度以降に実施される特定健診におけるHbA1c結果の取扱いについて
平成24年8月31日に開催された「実務担当者による特定健診・保健指導に関するワーキンググループ(第4回)」にて、平成25年度以降に実施される特定健診におけるHbA1c結果の取扱いについて検討されました。
それにより以下の決定がなされました。

1.平成25年4月1日以降に実施される特定健診の受診者に対する結果通知及び保険者への結果報告は、NGSP(※1)値でのみ行う。

2.労働安全衛生法に基づく事業主健診の実施によって特定健診の実施に代える場合、平成25年4月1日以降に実施される事業主健診の事業主への結果報告及び事業主から保険者への結果報告は、NGSP値でのみ行う。

3.平成25年3月31日以前に実施される特定健診の受診者に対する結果通知及び保険者への結果報告並びに事業主健診の事業主への結果報告及び事業主から保険者への結果報告等を平成25年4月1日以降に行う場合、従来と同様、JDS(※2)値でのみ行う。

※1 National Glycohemoglobin Standardization Program の略
※2 Japan Diabetes Society の略


そもそもHbA1cとは何か、今回の変更により具体的にどのような影響があるのか、順を追って説明いたします。

HbA1cとは

HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は糖尿病に関連する検査の一つで、採血から過去約1~2か月間の血糖値の平均を反映する検査値です。

NGSP値とJDS値

NGSP値とJDS値はいずれもHbA1c値を表記するための標準値です。NGSP値は国際的に使われている表記で、JDS値は日本のみで使用されている表記です。
NGSP値は、JDS値より0.4%程度高くなっています。また、以下の式で換算出来ます。

NGSP値(%)=1.02×JDS値(%)+0.25%

例:JDS値が6.0%の場合
NGSP値(%)=1.02×6.0%+0.25%=6.37%≒約6.4%


そのため、平成25年度以降の特定健診の際には例年のHbA1c値より見た目上は高い数値が測定されることが予想されますが、JDS値とNGSP値どちらの表記が用いられているのか確認することが大切です。ちなみにNGSP値の場合、HbA1c 6.5%以上だと糖尿病型(糖尿病の疑いあり)となります。

変更された理由

従来、日本ではHbA1cの測定にJDS値を用いていました。しかし、JDS値を使用しているのは世界で日本だけで、2つの表記の差が補正されないまま欧米の研究論文が日本に紹介されたり、誤って判断される危険性が懸念されていました。
そんな中、日本糖尿病学会が平成24年4月1日よりHbA1c値をNGSP値で表記する方針を発表しました。しかし、急にNGSP値へ移行すると医療の現場で混乱が起こること等が懸念されたため、当分の間JDS値も併記されることになりました。

それから約5か月後、冒頭でご紹介した検討会にて、NGSP値の単独表記が決定しました。事前に行ったアンケートによると、「日常臨床においてHbA1c検査の表記方法」の質問について、「NGSP値とJDS値の併記」と回答した割合が最も多く85.5%となりました。しかし、「患者への説明の際に使用する表記」の質問では、「JDS値を使用する」と回答した割合が最も多く68.7%となりました。これは検査データについて、前回値との比較がNGSP値では出来ないといった理由からこのような結果となったようです。
次回の検査ではNGSP値でのデータがあることから、来年度からはNGSP値を用いた患者への説明が可能になると思われます。アンケートの「今後、日常臨床において、併記からNGSP値の単独表記への移行時期を検討する参考として、表記変更の可能な時期」という質問に対し、「来年度(平成25年4月)からNGSP値の単独表記への変更が可能である」と回答した割合が68.8%となった結果からもそのことが伺えます。

平成24年度現在、特定健診におけるHbA1cの判定基準はJDS値であり、来年度から基準をNGSP値にした判定基準に変更する必要があります。それに伴い、特定保健指導レベルの階層化判定の基準も変更となります。また、特定健診については標準的な電子データファイルの様式が定められているため、システム変更の影響も大きなものとなることが予測されます。

今後について

HbA1cのNGSP値での単独表記が進むことで、国際的な研究・治験が支障なく行われ、新薬や新しい治療法の日本への導入が円滑に進められるようになることが期待されます。
我が国で糖尿病という病気について、その病名や症状については広く知られていますが、診療に用いられるHbA1cとは何か、自分のHbA1cの数値はどれくらいであるのかを知らない方が多いのではないでしょうか。
特定健診対象者のみなさん、前回の健康診断の結果を見て、新たな基準ではいくつになるのか上記の計算式で確かめてみるなど、この機会に糖尿病やHbA1cへの理解を深めていただければ幸いです。


担当
阿部 晶一
役職
ヘルスプロモーショングループ

2011年4月 入社
持ち前の実直さを武器に、ユーザサポートに奮闘する若手メンバ。
システム開発や現地対応等で日々スキルを磨いている。

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